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2017.03.17 BUSINESS

いよいよAIが人事管理を行う時代に

AI、とりわけディープラーニングが企業の様々な領域におけるアクティビティに利用されはじめているが、その中でも特に注目を浴びているのが、「HR(Human Resources)」つまり人材管理の領域での利用だ。

本来、人的な作業や判断だけで決められてきたHRだが、適正な人材の配置や社員の評価の実現といった問題は、企業や組織の競争力の強化につながる重要な事項。AIを利用することで成果を出すことができれば、普遍的な課題を克服できるということで、その期待は大きなものになる。人事領域にAI利用と聞くと、本当に効果を発揮するのか疑う向きも多いことと思われるが、実際に導入をはじめた企業では一定の効果も顕在化してきており、エンタープライズ系のAI利用の中でも先行的存在になりつつある。

人事領域でのAI利用は実に多岐にわたる

既に始まっている人事領域のAI利用は、人材の発掘、採用、活用といった業務エリアだけではない。日常的な勤怠管理、給与管理、能力評価、メールや社内システムのアクセス状況など、あらゆる従業員のアクティビティを総合的に管理できる仕組みへと変化しはじめている。

特に期待されるのは、適正評価と最適な人材配置の問題だ。とりわけ、適正評価の問題は、属人的な要素をはらんでいることから、従業員間の不満にも繋がりやすい。こういった課題にAIを利用することで、透明性と公平感が醸成できるかどうかが大きな注目点となる。

また、最近重要視されている残業過多のような問題に対しても、AIの活用が期待されている。

まず、AI独自の分析により、社員のフィジカルとメンタル両面においてリスクを抱えるであろう従業員を抽出。そして、問題が起こる前にケアを施すといった予防措置を実施することも可能になる。表面的にはなかなか把握できない、いわばインタンジブルな領域をAIの利用で明らかにすることができれば、人が行う人事管理よりもレベルの高い業務を実現することが期待できる。


すでにパッケージソフト化された商品も登場

AIを利用した人事ということになると、スクラッチからカスタムで構築することをイメージしがちだが、すでにこの領域ではパッケージソフト化された商品が登場しはじめている。

さらに、既存のHRシステムにAIを実装しインテグレーション化をはかった仕組みを提供するベンダーも登場しはじめており、想像以上に早い期間でこうしたソリューションが企業に導入される可能性が高まっている。

人事のAI化が進めば、これまでの国内企業の社員の働き方や、社内の人間関係にも大きな変化が生まれることが期待される。特に大量のホワイトカラーを抱えるような業種では、人間関係のフリクションが事業の生産性に大きな影響を与えていることは間違いなく、この領域の大幅な改善が進めば、企業全体の生産性向上にも寄与することが可能となる。

日本は人口減少というこれまでにない市場のシュリンクが進む中にあって、労働生産人口も漸減しはじめている。そのため、既存の労働力をいかに活性化させながら生産性を維持、向上させるかが課題になりつつある。その意味でも人事の領域にいち早くAIが導入される意味は大きいといえるだろう。

ただ人事部要らずにはならないのが実情

しかし、人事管理はすべてAIにおまかせとはならないのもまた事実だ。例えば、大きな技術革新や市場環境の変化などがもたらされた場合、新しい人事戦略を導入する必要があり、AI単体に任せることはできない。

このような、経験に基づかない新規領域についてのベースシナリオはやはり人間が考え、その後の試行錯誤をAIがフォローアップといった効率的な運用が求められるのは言うまでもない。

今後、人事領域にAIを実装する企業が増えれば、より人とAIの組み合わせによるHRの日本市場ならではのベストプラクティスといったものも市場に提供されることが期待される。


<参考・参照元>
もはや人事は不要!? 「AI面接官」が人間に代わって学生を面接、セクハラ防止の効果も|意見をつなぐ、日本が変わる。BLOGOS(ブロゴス) 
AI(人工知能)が人事情報を一元管理する時代に! 勤怠管理、メンタルケア、福利厚生までカバー|知的好奇心の扉 TOCANA(トカナ)
採用・人材育成、AI活用を 経産省が雇用改革案|日本経済新聞