ページトップへ
TOP BUSINESS 国内IoT市場の2016年ユーザー支出額は5兆270億円~IDC調査から~
2017.03.21 BUSINESS

国内IoT市場の2016年ユーザー支出額は5兆270億円~IDC調査から~

IT専門調査会社IDC Japanが発表した、「国内IoT市場ユースケース(用途)別/産業分野別予測」によると、既に同市場における2016年のユーザー支出総額は、5兆270億円に達することが見込まれており、2021年までに年間平均成長率17%で成長し、東京五輪終了後の2021年には11兆237億円になる見通しであることが明らかになった。IoT市場は日本国内でも順調なスタートを切り、大きな成長が進んでいることが改めて確認された状況だ。

■まだまだこれからと思われた国内のIoT化は確実に始まっている

これまで国内のIoT市場は、多くの事業者がその参入に興味は持っているものの、消極的な状況にあると思われていた。しかし、今回のIDC Japanの調査結果によると、既にかなりの支出を始めていることがわかり、その市場規模は、2021年には11兆円を超えるものになることが予想されている点が興味深い。

IDC Japanでは「IoT」について、以下のとおり定義している。
“「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイスからなるネットワークのネットワーク」であり、法人/政府/個人といった様々なユーザーが利用するユビキタスなネットワーク環境に対して、管理/監視/分析といった多様な付加価値を提供するもの”
引用元:国内IoT市場 テクノロジー別予測を発表|IDC Japan株式会社

今後、高い成長率が期待されている分野は、農業フィールド監視、小売店舗内個別リコメンデーション、院内クリニカルケア、スマートグリッド、テレマティクス保険、ホームオートメーション、スマートアプライアンスなどかなり多岐に渡っており、国内でも確実にIoTが進行しようとしていることが理解できる。

また、産業分野別では、製造業や運輸・運輸サービス、官公庁、公共・公益の分野が2016年の時点で市場の多くを占めており、おおむね市場の予想どおりの領域でIoTが始まろうとしていることがわかる。
これらの産業分野では従来組み込み系の機器やインフラに投資をしており、これらの機器・インフラの運用効率やエンドユーザーの満足度を向上させるために、IoTを活用することが必要不可欠になりつつあるとされている。


■東京五輪に向けた上向きな景況感が後押し

この調査結果によると、前述のとおり国内IoT市場におけるユーザー支出額は、2016年の見込み値は5兆270億円で、2016年から2021年まで年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate: CAGR)17.0%で成長し、2021年には11兆237億円に達するとされているが、 国内IoT市場が力強い成長を遂げようとしている背景を、
“2020年の東京オリンピック開催に向けた景況感の上向き、IoTを利用する上での技術障壁/コスト障壁の低下、IoTを取り巻く法規制や支援策の変化が影響”
引用元:国内IoT市場 ユースケース(用途)別/産業分野別予測を発表|IDC Japan株式会社

としており、こういったIoT市場への追い風により、少なくとも今後5年に関しては、国内のIT市場規模に迫るほどの新たな市場がIoT関連で出現することを示唆している。

引用元:国内IoT市場 ユースケース(用途)別/産業分野別予測を発表|IDC Japan株式会社

■2020年の世界のIoT市場規模は200兆円超

IDC Japanはグローバルでも同様の調査を実施しており、2020年にはグローバルマーケットの市場規模が、日本円にして200兆円を超える規模にまで成長すると予測している。

この金額と比べると、国内の市場規模予測値である11兆円は、本来ならばもっと大きなものになってもよさそうなものと考えられる。しかし、2020年以降、つまり東京五輪実施後は成長に息切れが出る可能性も指摘されており、IoTにかかわるITベンダーが、さらなる継続的成長を実現するためには、産業分野の開拓や新興企業との提携により社会課題に対応する新しい用途を開発していくことが必要だとレポートしている。

人口減少と生産年齢人口の漸減により、国内の個人消費が益々シュリンクしつつある中で、拡大と成長が期待されるIoT市場をいかに長続きする市場へと育成していくか、熟考する必要性も感じさせられる。


<参考・参照元>
国内IoT市場 ユースケース(用途)別/産業分野別予測を発表|IDC Japan株式会社