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2017.03.17 BUSINESS

ITで国内観光やインバウンドを活性化!

2016年の訪日外国人観光客の数は、前年比22%増の2403万人。4年連続で過去最高を更新した。この数字は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向かってさらに伸びることが確実視されている。政府は、2020年に4000万人超えの目標を掲げており、インバウンドはもはや国策となっているという状況の中、当然ビジネスチャンスの拡大も見込まれている。ここでは国内観光やインバウンドを活性化させる、最新のITサービスについて見ていきたいと思う。

ITを駆使して地域観光を盛り上げる最新事例

まず注目したいのは国内観光におけるITサービス。ひとつ目は栃木県観光物産協会が2月末から配信を開始したスマホアプリ「とち旅(Tochi-Tabi)」だ。これを使えば、栃木県での旅行を気軽に楽しく周遊できるようになっている。

当アプリの機能には、観光施設やイベントなどの検索機能をはじめ、現在地や主要駅から目的地までの最適なルートを案内してくれるナビゲーション機能や、滞在時間やその日の好みに合わせて旅の予定をコーディネートしてくれるコンシェルジュ機能、LINEによるルートのシェア機能などを搭載している。このサービスのように、今の時代はやはりスマホに特化したITが主流になってくるだろう。

ふたつ目は、山形県河北町のサービス。同町と同町観光協会は2月末、日立システムズと提携し、ITを活用することで観光活性化を図っていくことを発表した。そのひとつが、特産品である紅花の振興による地域産業の活性化だ。紅花は通年栽培が難しいが、日立システムズのICTを活用して通年栽培が可能となる方法を検討していくという。また、その他の施策として、国内外から3名の女性を起用し、「べに花おとめ(仮称)」として広報活動を展開することも発表している。彼女たちが紅花の通年栽培実験や紅染め、紅花を活用した商品開発を体験し、その活動内容や河北町の魅力をSNSなどで発信していくという計画だ。しかも、日本だけでなくアジア各地域のウェブメディアでも配信予定。時流のインバウンドも盛り込んだ展開となっている。

ビッグデータから音声ガイドまで、インバウンドの活用事例

次に注目するのはインバウンドについて。最近、インバウンドの動向をビッグデータ分析しようという動きが出てきているが、こういった流れを加速させているツールが、ビッグデータ分析システム「RESAS(リーサス)」だ。このシステムは、経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が運営しているもので、2015年4月のサービス開始以降、分析結果を観光戦略の策定に活用する自治体は増えている。

2月末、このRESASに新たに小売店の免税データが追加されることが明らかとなった。これは、小売店の免税手続きサービスを手掛けるグローバルブルーティエフエスジャパン社から、保有している免税データの提供を受け実現したもの。今回提供されるデータは、「外国人消費の構造、比較、国籍・性別・年代別の免税取引状況」など。これらを都道府県単位で把握できるほか、取引単価の比較なども行える。

都会と比べ免税店対応が進んでいない地方においては、インバウンドでの地域活性化施策を実施するにあたり、上述のようなデータが非常に有用なものとなることだろう。

この他、博報堂アイ・スタジオでは「Project JACH(ジャック)」を発足。開発中の音声配信デバイス「JACH」は、ユニークなヒゲの形をしたデバイスで、ヒゲ部分にイヤホンを装着するとスイッチが入り、人間の代わりに通訳ガイドしてくれるという。これは、内蔵されたGPSがユーザーの位置情報を取得することにより、その場所に関連する情報の多言語での提供を可能にしているという仕組みだ。まずは、需要の多い英語、中国語、韓国語への対応を検討しており、順次対応言語を拡大していく予定。一般的な観光情報だけでなく、日本に関連する「小ネタ」などをジョークを織り交ぜてささやいてくれるなど愉快なサービスとなっている点も注目だ。

IT活用の例を見てきたが、こういった取り組みは、今や国内観光、インバウンドを活性化する強力なツールになっているのがよくわかる。まだまだたくさんのビジネスチャンスが眠っているであろうインバウンドビジネスへのIT利用の動向に今後も注目必至だ。

<参考・参照元>
栃木県公式観光アプリ「とち旅 Tochi-tabi」の配信を開始しました:旬のトピックス:とちぎ旅ネット|栃木県観光物産協会公式サイト
山形県河北町と河北町観光協会、日立システムズが地方創生の取り組みを開始:ニュースリリース:2017年|株式会社日立システムズ
地域経済分析システム(RESAS)平成28年度 第2次リリースについて|経済産業省(PDF)
博報堂アイ・スタジオ、訪日外国人観光客への通訳ガイド不足解消に向け「Project JACH(ジャック)」始動~多言語音声配信デバイスのプロトタイプをSXSW(サウスバイサウスウエスト)に出展~:ニュース|博報堂アイ・スタジオ