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TOP BUSINESS ITを代表する株式会社LINEのビジネス変性からみるIT企業の戦い方を分析
2017.03.17 BUSINESS

ITを代表する株式会社LINEのビジネス変性からみるIT企業の戦い方を分析


リアルコミュニティを基盤としたサービス展開

最近では、ニュース、ゲーム、メディアなどの連携アプリにより様々な機能の拡充が見られるLINEだが、元を辿れば「チャット」と「インターネット通話」の2大機能から始まったサービスだ。

この2大機能は匿名性の高いバーチャルな場ではなく、実名を使って現実の知り合いとネット上でも繋がり交流ができる「Facebook」や一般的なメールのように、リアルな場として扱われることが殆どである。それゆえに、一度利用したユーザーが離れる確率は低く、安定した基盤となったと言えよう。

こうした基盤の獲得はITビジネスにおいて最も重要である。

広告メディアとしてのLINE

LINEの収益のうち、大きな割合を占めているのが「広告」である。

LINEでは企業や店舗などが公式アカウントを登録することで、その公式アカウントをフォローしているユーザーに対し、メッセンジャーフォームで広告メッセージを送ることができる。他にも、ユーザーが公式アカウントを追加することで使用期間が決まった「限定スタンプ」がダウンロードできるなど、LINEのメッセンジャー機能内で利用可能なサービスが得られるものも多く、それらが広告拡散を促進するはたらきをもたせている。

同時に他のユーザーからレコメンドされた「スタンプ」をタップすると、そのスタンプを購入・ダウンロードする画面にリンクするように設定されており、購買欲を刺激する。

リンクを繋ぎ、商品が消費者の手に届きやすいように設定するのは一般的な戦略だが、スタンプというわかりやすく、安価なアイテムであるためにその効果はさらに大きい。

また、LINEの「タイムライン」、「LINEニュース」にはパフォーマンス型広告が導入されており、さらなる収益が期待されている。このように、SNSアプリによる広告導入は「Twitter」や「Facebook」等でも見られ、特に若年層へのリーチが期待できる。

キャラクターのアピール性

LINEにはいくつかオリジナルキャラクターが存在する。

人型の「ムーン」、クマの「ブラウン」、ウサギの「コニー」などが人気だが、これらのキャラクターは、LINEのCMや各機能説明の挿入イラストはもちろんのこと、チャット中に送ることのできる「無料初期スタンプ」や、連携アプリである「LINE GAME」の登場キャラクターなどとして、多くのユーザーの目に触れている。

こうして彼らの存在はユーザーの間ですっかり定着し、現在では「LINE FRIENDS STORE」なる実店舗においても様々なグッズが販売されるほどになっている。

日本のキャラクタービジネス市場は2兆4,282億円(2015年度)であり、昨今のゆるキャラ人気を見ても、日本の企業はキャラクターを起用する価値のある土壌が存在すると言える。また、彼らの「キャラクター性」はビジネスアピールの一手段として注目しておくべきポイントだろう。

スマートポータル化

LINE株式会社の代表取締役社長 出澤氏は、LINEの今後の方向性を「スマートポータル化」と打ち出している。「LINEを単なるSNSではなく、ポータルサービスに」ということだというが、先述したようにリアルな場であるメッセンジャー・プラットホームを基盤としたうえで、様々なコンテンツ・プラットホームやライフ・プラットホームを連携提供することで、その拡大を目指すことになる。

メッセンジャーやゲーム、ニュースなどを含むWebサービスをLINEひとつで済ませてしまおう、といった実に「スマート」なアプリケーション像である。様々なアプリが登場し、スマートフォンひとつでプラットホームを形成できる現在だからこそ、「ひとつで済ませる」ことのできる「プラットホーム型スマートアプリ」が求められている。

ただ、日本で揺るぎない地位を勝ち得ているLINEも、海外アクティブユーザー数では「WhatsApp」、「Facebook」、「Skype」といったワールドスタンダードのアプリにはまだまだ及ばない。今後その要因を探りながら、ポータル化のグローバル展開をいかに実現していくかが、課題になるのではないだろうか。