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2017.03.17 TECHNOLOGY

健康管理はウェアラブルに任せる時代に。ウェアラブルビジネスのマイルストーン

ウェアラブルとは「wear」と「able」を組み合わせた言葉で、直訳すると「着用することができる」という意味の造語である。

ウェアラブル端末(デバイス)は、身体に装着して持ち歩くことができるコンピューターの総称。スマートフォンと連動して使用でき、タブレット端末やノートパソコンよりもさらに小型で、主に衣服、メガネ、腕など身につけたまま使える。

そう遠くない未来、健康管理はウェアラブル端末に任せる時代になるだろう。既に街ではウェアラブル端末が普及し始めている。

主流は“腕時計型”で、文字通り腕に装着することで素早く通知などが確認できる。時計としての機能はもちろんのこと、スマートフォンと連動できるので通知や着信以外にも、心拍数や歩数、カロリー消費量や睡眠時間のトラッキングなど、豊富な機能を備えている。

ある商社では、社員に装着させて体重や睡眠時間を管理し、健康増進を支援する取り組みを実際に始めているようだ。ウェアラブル端末には、人々の生活を一変させる可能性が秘められているのだ。

既に始まっている“ウェアラブル社会”の今後の急速な変化に備え、そろそろ自分に合ったプロダクツを探してみるのも良いかもしれない。

Apple Watch

Apple Watchが登場する以前にも、ウェアラブル端末というものは存在していたが、認知度は低かった。日本でも、一般的に広く知れわたるきっかけになったのがApple Watchだろう。

2015年に発売された腕時計型のApple Watchは、世界に衝撃を与えた。メールや通話などの通知が腕を持ち上げるだけで確認できたり、日々の運動量を計測できたりと、わざわざスマートフォンを取り出さなければならない煩わしさから人々を解放してくれたからである。

話題になったのはそれだけでない。ビジネスシーンで身に着けていても違和感のない高級感のあるデザインは、従来のウェアラブル端末ではデメリットだったチープさを払拭した。豊富なバリエーションがラインナップされているApple Watch用バンドも、服装に合わせてカスタマイズできると好評を得ている。

そのApple Watchにも、2代目となる「Apple Watch Series 2」が2016年9月に登場。おサイフケータイへの対応やGPS搭載、50m防水性能、排水機能を備え、CPU性能も初代に比べ50%も向上した。

これからはApple Watchの機能を基準として、今後加速度的に多くのウェアラブル端末が世にリリースされていくことが予測される。

また、Apple Watchには「アクティビティ」というアプリがあらかじめインストールされている。1日の活動量を記録して、フィットネスアプリのデータが確認でき、アプリ上では、スタンド(1時間あたり1分以上立ち上がっていた時間)、エクササイズ、カロリーなどの記録が可能だ。

さらに、Apple Watch Series 2ではスポーツマンにとっては嬉しい進化が。GPSの搭載によって、iPhoneを持たずとも運動の軌跡や時間、距離などが記録でき、ランニング時にスマートフォンを身に着けなくてもよくなったのだ。

あまり運動をしない層にとっても、アプリの「アクティビティ」により記録されたデータがライフログになるのは日々の楽しみになるし、運動の習慣化が期待できる。

Fitbit

日本ではApple社の大々的なプロモーションによって、“ ウェアラブル端末と言えばApple Watch”という印象を持っている方も多いかもしれない。しかし、IDCによるとApple Watchの出荷台数は市場の15%で3位。1位はアメリカで圧倒的な人気を誇り、世界シェア27%を占めているFitbit社のウェアラブル端末だ。

2007年にジェームズ・パーク氏とエリック・フリードマン氏によって創業されたFitbit社は、現在までに約5400万台もの活動量計を世に送り出しており、今なお独走状態にある。特に、2016年に発売されたFitbit社のスマートウォッチ「Blaze」は、LCDタッチスクリーンを搭載していることもあって、ライバル商品のApple Watchを意識していることは明白だ。

こちらも、スマートフォンとの連携機能を備えており、通知機能やGoogle Play Musicの操作ができる。価格は2万円台とお手頃なのに、機能はApple Watchに引けをとらないところが世界シェア1位の理由なのだろう。

また、Blazeや同年発売の「Charge2」をはじめとするFitbitのウェアラブルには、その多くに光学式の「PurePulse心拍計」を搭載。この機能により、運動中の心拍数や消費カロリーがより正確に計測できるようになっているなど、エクササイズに特化した商品になっている。

他にも、最大5日間の連続使用が可能な長寿命バッテリーや、特定のエクササイズをトラッキングしてリアルタイムの統計データを表示してくれる「マルチスポーツ」など、魅力的な機能が豊富に備えられている。

「Charge2」は、2万円以下(2017年現在、筆者調査)という価格帯のウェアラブル端末なのに、このようなハイエンドモデル同等の機能が付属しているのはとても魅力的であると言えるだろう。Fitbitは、今やウェアラブル戦国時代と化した現在においても、確固たる地位を築き続ける正統派的存在として君臨している。

メガネ型ウェアラブル端末

メガネ型のウェアラブル端末への注目は近年高まりを見せているが、端末自体の歴史はまだ浅い。

2016年12月には、メガネスーパーが高解像度ディスプレイを搭載したメガネ型ウェアラブル端末「b.g.(ビージー)」を発表。また、同年に発表されたIntelと Oakleyが共同開発した「Radar Pace」は、スポーツマンやスポーツ愛好家が、リアルタイムでコーチングが受けられるということで注目を集めている。

しかしながら、世間の記憶に残っているのは、画像や動画が撮影できる「Google Glass」ではないだろうか。プライバシー問題や価格の問題が解決されなかったことから、現在、販売計画は頓挫している。

そのような中、画像・動画撮影分野に参入してくる企業が現れた。「Snapchat」で有名なSnap社である。

2017年、同社が発売した「Spectacles」は、129.99ドルという低価格でオンライン販売を開始。同製品には、メガネの右側にカメラが搭載されており、動画や静止画を撮影することができる。前述のGoogle Glassのプライバシー問題は引き続き懸念されているが、若者に絶大な人気を誇るSnapchatなどのソフトウェアとの連携で、この分野のメガネ型ウェアラブル市場がどれほど拡大できるかに注目が集まっている。

用途の可能性は無限大

日進月歩の技術発展で、日常的にメガネ型ウェアラブル端末を装着する日も、そう遠くはないように思う。さらに現状では、健康管理などの日常生活での使用に加え、工場や医療現場など法人での使用にも期待が高まっているようだ。

ウェアラブル端末は、今までの生活をより便利に、そして快適にするための可能性を大いに秘めている。

今後は、身の回りのほとんどの事が、ウェアラブル端末で代替可能になるかもしれない。ウェアラブル市場はまさにビジネスチャンスがたくさん詰まったジャンルと言える。