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TOP TECHNOLOGY クラウド市場でネットワークの仮想化・SDNが注目されるわけ
2017.03.20 TECHNOLOGY

クラウド市場でネットワークの仮想化・SDNが注目されるわけ

サーバービジネスではすっかりクラウドの利用をテーマとする企業が増えている今日このごろだが、実はネットワークの世界でも仮想化して利用することが大きな注目を集めるようになっている。それがSDNと呼ばれるものだ。

IoTビジネスが現実化する中で、サーバーの仮想化とともにネットワークの仮想化も急激に進もうとしている。

■そもそもSDNとは・・


SDNとはSoftware Defined Networkingの略号で、ネットワークの構築や設定をソフトウエアを利用することにより柔軟に行うことができるようにした仕組みをいう。ネットワークといえばこれまでは物理ネットワークが使われてきたわけだが、今後はこの世界でもソフトウエアを利用して仮想化することで、即時性や運用上の効率性を高めるという利用に注目が集まり、現実的な利用が加速していくだろう。

これまでのネットワーク機器では、データ転送と経路制御は1つに集約化されてきた。しかし、ネットワークの仮想化ではOpenFlowと呼ばれる仕組みが導入されており、ネットワーク制御を行う「OpenFlowコントローラ」と、データ転送を行う「OpenFlowスイッチ」の2つの機能に分離して実装することができる。このため、より簡単に総合的なネットワーク管理を実現することができるようになっているのだ。Open Flow を開発したMartin Casado氏は、「人間はネットワークの状態を管理することが苦手である」ということに気が付いたことがOpenFlow概念を思いついたきっかけだと語っているが、人間が苦手なことを人間にやらせるのではなく、プログラムで解決させるという考えがSDNのフレームワークにも活かされているといえる。これにより、ネットワーク機器の機能をより簡素化できることから、コスト削減を実現できるようになると期待されている。なにより、複数のネットワーク機器で構成されるネットワークを、論理的に1つのネットワークとして扱うことができるようになるというのが秀逸なポイントだ。

■OpenFlowには2つの方式が存在

SDNに利用されるOpenFlowには2つの方式が存在する。1つは「オーバーレイ方式」と呼ばれるもので、仮想スイッチ間をVXLANやNVGRE等のトンネリング技術を使ってつなぐことにより、物理的なネットワークにある機器に対して大幅な設定変更をせずに、新規の機器導入やネットワークの設定変更を可能にするというものだ。

また、もう1つは「ホップバイホップ方式」と呼ばれるもので、こちらはすべてのOpenFlowスイッチでデータ転送を制御していくというやり方となる。これにより細かなデータ転送の制御が実施可能であり、クラウド事業者などで細かい制御を必要とするケースではこちらが選択されるようになっている。

■SDNはここへ来てようやく導入に弾みがついてきた状況


2012年ごろに複数のベンダーから登場したSDNは、その後なかなか普及が進まずに足踏み状態をつづけてきた。しかし、クラウド系のデータセンターなどで広範な導入がはかられるようになってきたことから、一般の事業者レベルでも、その導入を検討するところが急激に増えつつある状況だ。

データセンターの仮想化は想像以上に進みつつあるが、これに追随する形で、ネットワークにおいても大規模なデータセンターに対応するため仮想化するところが増えた。こういった実情が、SDNの利用に弾みをつけているといえる。もはや物理的なサーバーやネットワークの制約に縛られることなく、サーバーとネットワークを柔軟に構成する時代が到来したといえる。

今後、IoTの事業が各インダストリーで急激に拡大することになれば、パブリッククラウドの利用がさらに増加することになる。そうなれば、ネットワークもSDN主体で増加することが期待される状況だ。

<参考・参照元>
SDNとは? - ネットワークエンジニアを目指して|ITBOOK