ページトップへ
TOP TECHNOLOGY テスラに見る未来のクルマ社会と、モータリゼーションに与える影響
2017.03.20 TECHNOLOGY

テスラに見る未来のクルマ社会と、モータリゼーションに与える影響

イメージ画像:Nadezda Murmakova / Shutterstock.com

中東ドバイで開催中の「世界政府サミット2017」にて、アメリカ・シリコンバレーを拠点とする電気自動車メーカー、「テスラモーターズ」のCEOであるイーロン・マスク氏はこう発言した。「自動運転車は、非常に便利なものになる」そして「自動運転車の普及が、雇用喪失につながる」と続けた。この先、モータリゼーションと私たちの生活はどう変わりゆくのだろうか。

■テスラ・モーターズ『モデル3』

電気自動車の普及は段々と進みつつ有り、充電スタンドも少しずつではあるが増えてきた。また、FCV (燃料電池自動車)を搭載したトヨタ「MIRAI」など化石燃料の時代は終わりつつあるといってもいいだろう。

そのような状況下でテスラが発表した「モデル3」は、電気自動車ながらリーズナブルな価格で注目を集めた。
2014年に発売された「モデルS P100D」は、最上級モデルになると0-100km/hが2.7秒という驚異の加速力を誇り、「Bugatti Veyron」や、「McLaren P1」と肩を並べるほどの性能である。しかし、その価格は1480万円からと、一般ユーザーには手が届きづらい高級車であったが、今回発表されたモデル3の米国でのベース価格は、前述のモデルS P100Dの半額以下である約392万円と、価格帯を大きく変更し大衆向けになっている。また、2016年3月に開始された先行予約では、3週間で約40万台数に迫る勢いをみせており、電気自動車とテスラの人気の高まりが感じられた。
モデル3は2017年に発売されるとのこと。今後、テスラの電気自動車を街中で見かける機会が増えてくるのではないだろうか。

■「来年末までにロサンゼルスからニューヨークまで、車のハンドルに指1本触れずに横断してみせる」

テスラは自動運転技術の開発に熱心だ。2017年3月、とうとうアジアで自動車保険とメンテナンス料込みで車の販売を初めた。2016年10月にマスクCEOが「来年末までにロサンゼルスからニューヨークまで、車のハンドルに指1本触れずに横断してみせる」と発言したことからもわかるように、テスラは自動運転の発展で車は絶対的に安全な乗り物になる、という主張に自信があるのだろう。

そして、テスラは今後生産されるすべての車に、完全自動運転機能を持つハードウエアを搭載させることを発表した。このハードウエアは、外界の状況を認識するカメラを8個、12個の超音波センサー、1秒に12兆回の計算を行えるNVIDIAのコンピューター「Drive PX 2」が搭載された最新型であり、マスクCEOも「車の中にスーパーコンピューターがあるかのようだ」と、自信に満ちた表情で言い切っている。規制の問題をクリアできればハンドルに一切手を触れずに運転が可能になってしまったのだ。

■交通事故の責任は誰に?

日本の平成28年の交通事故発生件数は49万9201件にも登る。いくら完全自動運転が実現されたとしても、交通事故に遭わないというのは難しそうだ。自動運転車はコンピューターである限り、サイバー攻撃を加えられた場合や、システムがコンフリクトしてしまう可能性をゼロにすることはできない。また、刻々と変わる路面状況によって引き起こされる不可避的な事故の当事者になってしまった場合、誰が責任を取るのだろうか。

日本損害保険協会は自動運転の法律上の課題を検討し、報告書にまとめた。それによると、自動運転を二種類に分けて、ドライバーが操作に関与するレベル3までの自動運転については、対人事故の賠償責任は過失がなくても原則としてドライバーにあるとした。現在、国産車の自動運転車などはこのタイプにあたり、現行の保険で対応できるとしている。
問題はテスラ車のような、ドライバーが操作に関与しないレベル4の車だ。米国の 国家道路交通安全局(NHTSA)は2016年2月、Googleが開発を進める自動運転用の「AI」について「人の存在なしで車が運転しているのであれば、実際に運転しているものをドライバーとみなすのが合理的だ」と言及した。

■これからの車社会

マスクCEOは2017年1月に「完全自動運転機能はいつ完成するのか?」というツイートに対し「3 months maybe, 6 months definitely(“ 3カ月以内かもしれない。6カ月以内は確実”) 引用元:完全自動運転カーの登場は「6カ月以内」とテスラのイーロン・マスクCEOがツイート|GIGAZINE」とリプライを送っている。もし、完全自動運転機能が一般的な社会になったら。車をスマートフォンで呼び出し、目的地に到着したあとは車が勝手に戻ってくれる、そうしたら都会の駐車場問題も解決することができるだろう。こうして、車は真にインフラになるのだ。
かつて、iPhoneが登場した時「こんなの売れるわけない」と言われたが、今ではこの形がスタンダードになっているように、数年後の車社会も予測がつかないほど変革していてもおかしくはない。
SF映画のような「モータリゼーション2.0」の世界はもうそこまで来ており、私たちは歴史の岐路に立っているのかもしれない。

<参考・参照元>
「自動運転車の普及が雇用喪失につながる」…テスラCEO | レスポンス(Response.jp)
市販EV初の航続距離600km超え&0-100km/hで2.7秒というテスラ「モデルS P100D」 - GIGAZINE 
テスラの入門EV、モデル3---生産開始は7月に決定 | レスポンス(Response.jp)
モデル3のご予約に関するよくあるご質問 | テスラジャパン

「自動運転で米国横断」、テスラは正気なのか | 自動車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
未来の車だって言ったでしょ。テスラ、保険とメンテナンス料込みのワンプライスで販売開始してた(アジアのみ)|ギズモード・ジャパン
交通事故発生状況 - 交通事故総合分析センター
車の自動運転 保険はどうなる?|NHK NEWS WEB

自動運転車に関するアメリカ運輸省のガイドラインが不十分な理由 | TechCrunch Japan 
共存共栄のモータリゼーション2.0、自動運転は100年に一度の変革 | カレントライフ
完全自動運転カーの登場は「6カ月以内」とテスラのイーロン・マスクCEOがツイート - GIGAZINE