ページトップへ
TOP TECHNOLOGY 音声認識人工知能を搭載した画期的なAIスピーカーを送りだすNAVERの戦略とは
2017.05.01 TECHNOLOGY

音声認識人工知能を搭載した画期的なAIスピーカーを送りだすNAVERの戦略とは

LINEは、2017年2月27~3月2日にスペイン・バルセロナで開かれた「Mobile World Congress 2017」のキーノートにおいて、NAVERと開発したクラウドAIプラットフォームClova(クローバ)」とスマートスピーカーWAVE(ウェーブ)」を初夏に日本と韓国で発売すると発表した。音声認識人工知能を搭載した画期的なAIスピーカーを送りだすNAVERの戦略とは一体何なのか見ていこう。

■Clovaとは何か

韓国IT大手のNAVERと共同開発したClovaについて、LINEは以下のように述べている。
「Clova」の中核は、「Clova Interface」と「Clova Brain」の2つで構成されています。人間の五感にあたるのが「Clova Interface」であり、その中の耳と口にあたるのが「Clova Voice」です。
引用元:LINE、クラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表 | LINE Corporation | ニュース

「Clova」は、音声認識などのInterfaceと、コンテンツやサービスをクラウド上で単に結びつけるのではなく、この「Clova Brain」自体で、最適化していくことを重要視するクラウド AI プラットフォームです。これにより、デバイス、インターフェース、コンテンツ・サービスまで最適化された一貫したユーザー体験を提供することが可能になります。
引用元:LINE、クラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表 | LINE Corporation | ニュース

■WAVEで何ができるの?

上述のClovaを搭載したLINE初のデバイスとなるスマートスピーカーWAVEについては、“話しかけると音声で会話をしたり、ニュース、天気・占い情報、コマース、カレンダー、翻訳などのコンテンツ・サービスや、音声で家の電気のオンオフなどを行うホームコントール、音声専用コンテンツとして読み聞かせなどができるオーディオブックなどが利用できるようになります。(引用元:LINE、クラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表:ニュース|LINE Corporation)”とその性能について述べている他、パートナーシップ企業として、ソニーモバイルコミュニケーションズ、タカラトミー、ウィンクルの名前を挙げ、新たな展開についても触れた。今後はClovaを組み込んだ携帯端末やおもちゃ、家電などの商品化に乗り出すと表明しており、これらの動向ついてLINEは、LINEアプリの次の事業の柱になるとの意気込みを表明した。

■スマートスピーカーの現在

スマートスピーカーは日本ではまだ馴染みが無いが、米AmazonGoogleはすでに一般販売され、家庭に普及しつつある。
米Amazonが販売している「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」には、「Alexa(アレクサ)」というデジタルアシスタントが組み込まれていて、prime music上の音楽を再生したり、Kindleやニュースの読み上げ、天気予報などを音声で伝えてくれる。また、Amazonの商品を注文したり、配車サービスのUberでドライバーを呼ぶこともできる他、照明やエアコンなど家電の操作にも音声対応している。Alexaは、Googleの「Google Now」やiPhoneの「Siri」のような存在だと言っていいかもしれない。ただ、決定的に違うのは連携の多様性だ。Alexaは「Skill」と呼ばれるプラグインをダウンロードすることによって、機能を拡張できる。その数は半年で1000以上も増え話題になった。
ちなみにAmazon Echoの価格は180ドル(約2万1200円)で、その他にも2ラインが発売されており、ミニサイズの「Echo Dot」は89.99ドル(約1万円)、ポータブルタイプが139.99ドル(約1万6000円)だ。

■既存のパーソナルアシスタントアプリとどう違う?

上述の通り、音声アシスタント機能iPhoneSiriなどでも対応できそうに思えるが、Amazon Echoユーザーのレビューではその音声認識の精度の高さとレスポンスの早さに高評価がつけられていて、Alexaならではの高精度な音声認識の優位性が期待される。
部屋のどこにいても自然な会話ができるように、また、部屋がざわついている場合でも正確に聞き取ってくれるようにコマンドを認識してくれるそうだ。

■日本語の壁

日本語の文法は英語よりも複雑だ。英語の文法は「主語」と「動詞」が常にワンセットになっているが、日本語では「述語」が主役。主語はあくまで述語を修飾するだけの存在である。このように非常に複雑な文法体系を持つ日本語は、音声認識AIでの実用化は難しいと言われてきた。事実、日本でのAmazon Echoの発売が遅れているのも、世界で最も難解な言語の一つとされる日本語の特性に起因していると思われる。ただ、昨今の音声認識技術の進歩は目覚ましく、非常に高い水準にある。日進月歩の技術の向上と共にほどなく解決されてしまう可能性もあるだろう。

■スマートスピーカーが勝手に注文してしまう珍事件

2017年1月、アメリカのダラスに住む女の子がAlexaに「ドールハウスとクッキーを買って」とおねだりをしたところ、約160ドル(約1万8000円)相当のドールハウスと2kgのクッキーが家に配達されて家族が驚いた、というニュースが報じられた。その時にニュースキャスターが読み上げた「Alexa order me a dollhouse」というTVからの音声に、各家庭のAlexaが反応しドールハウスが大量に発注されてしまった、という事件が起きた。スマートスピーカーはまだまだ発展途上の技術であり、予期せぬ動作をしてしまうこともあるようだ。

スマートスピーカーは海外ではすでに家庭に普及しつつあり、LINEもそれに続く形でWAVEの開発を急いでいる。日本語という言語の壁はあるものの、近い将来、SF映画のように音声で家電を操作するというのが一般的な方法になり、ボタンを押したり画面をタッチしたりする操作は廃れてしまっているかもしれない。


<参考・参照元>
AI活用の音声認識スピーカー、日本上陸へ LINEが6月発売 米国で先行のアマゾンは年内にも上陸(1/2ページ) - 産経ニュース
LINE、クラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表 | LINE Corporation | ニュース
Amazon Alexaのスキルが1000を突破(1月にはわずか135だったのに)…スキルストアの整備が早急に必要 | TechCrunch Japan
アマゾン・エコーとは?凄すぎる機能と日本語版の発売日・海外のレビューなどを紹介
AI活用の音声認識スピーカー、日本上陸へ LINEが6月発売 米国で先行のアマゾンは年内にも上陸(2/2ページ) - 産経ニュース
【西田宗千佳のRandomTracking】'17年の本命はスマートスピーカー? CESを席巻したAmazon Echo&Google Homeを実機で分析 - AV Watch
Amazon エコーが大失態…「ニュースの声を注文と勘違い」誤発注殺到 | ROBOTEER