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2017.05.22 TECHNOLOGY

相次ぐ参入で進化と高性能化が止まらない「ドローン」に見る課題とは

そもそも、無人航空機ドローン」は軍事目的に開発されたもので、その種類は小型から大型まであり、偵察や支援物資の輸送などに利用されていた。
しかし現在はモバイル技術の進歩およびバッテリーの小型化から、その形状はおもにマルチコプターがメジャーとなった。そして、農業における農薬散布や玩具としての利用はもちろんのこと、輸送機としての可能性や空撮、上空からの観測と監視による警備など、日々さまざまな利用方法が提案され進化を遂げている。
だが、このようなニーズに応えた高性能化にはリスクも伴うのだ。以前より懸念されている墜落事故衝突事故以外にも、テロ盗撮などに今後ドローンが利用される危険性は否定できない。

■航空事故の危険性

アラブ首長国連邦にある世界最大規模の空港「ドバイ国際空港」では、2016年6月11日に正体不明のドローンが侵入したことで旅客機の離着陸ができず、1時間以上にわたり空港が閉鎖される事案が発生した。そのため、多数の旅客機が他空港での着陸を余儀なくされ、現場は一時大きな混乱に陥ったという。こういった侵入だけでも、場合によって損失額は莫大になり得る。

また、空港敷地内でのドローン使用は法的にも規制されているが、ドローンユーザーの中には、このような規制があることを知らない者も存在する。今後は空港側とドローン業界の両者からのさらなる告知が必要とされるだろう。

■旅客機とのニアミス事故

航空域侵入に関しては、他にも多数の報告があがっている。例えばアメリカやイギリスでの旅客機とドローンのニアミスだ。アメリカでは、2014年3月にフロリダ州の「タラハシー・リージョナル空港」の近くにおいて、700m上空で着陸しようとした旅客機にドローンがニアミスしたという。イギリスの場合は、2014年5月にエセックス州の「ロンドン・サウスエンド空港」で旅客機が同じく着陸準備を行なっている最中、ドローンが右翼にニアミスした。
イギリスの事案に関しては、ドローンの経路や高度を見た限り故意の事故であったのではないかと言われているが、どちらの事案もドローンと操縦者が見つかっていない。

上記の事故はニアミスで終わったが、実際にドローンが旅客機に接触し、エンジンに巻き込まれれば、機体に大きなダメージを与えることは想像に難くない。小型であろうとも、簡単に大事故に発展してしまう可能性があるのだ。

■システムによる規制

こういった事案を受け、国内外でドローン飛行規制が進められている。
空港付近に関していえば、ドローン使用が完全に禁止されている区域がほとんどであり、その他の区域でも旅客機と接触不可能な高度制限がかけられている。しかし、法的規制だけでは万全なセキュリティ体制とは言えないだろう。ドローンの操縦システム側からも規制をかけるのが理想的だ。

それを実現しているのが、商用ドローン業界において最大手といわれている中国広東省深圳の会社「DJI」の製品だ。DJIの製品は登録された空港付近や政府機関において、操縦に制限がかかるシステムが搭載されている。具体的には、離陸および高度上昇のキャンセル自動着陸機能だ。これにより、ドローンによる侵入妨害は不可能となっているのである。

■リスクを払拭できる技術を

まだまだ進化途上であるドローンは、航空事故以外にも問題がある。
例えば、Facebookが開発する各地へのインターネット配信を目的としたドローン「Aquila」の墜落事故について。この事故は、自動操縦では対応しきれない突風が原因ではないかといわれている。他にも、ドローンはセキュリティ性が確立していないものも多く、乗っ取りが危惧される。

国立研究開発法人情報通信研究機構NICT)」、「株式会社プロドローン」、「株式会社サンエストレーディング」の3社は複数の暗号鍵を搭載のうえ、制御技術をパケットごとに暗号化するセキュリティシステムを開発した。
今後ビジネスにおいてドローンの活用を拡大するならば、こういったセキュリティ対策は欠かせないだろう。

<参考・参照元>
ドバイの空港にドローン侵入、航空便遅れる|DRONE BORG
ドローンが引き起こす大事件の可能性|DRONE BORG
空港付近でのドローン飛行はどうなる?飛行制限と飛行禁止ゾーンの仕組みについて。 | ドローン撮影ならドローンエンタープライズ
Facebookのドローンの墜落原因が判明|DRONE BORG
ドローンの乗っ取りを防止、制御通信を真性乱数で暗号化しつつ広域で飛行誘導する技術、NICTなどが開発 -INTERNET Watch Watch